データセットのマッピング方法
ProcessMindにおけるデータセットのマッピング
ProcessMindでデータセットをマッピングすることは、生データを実用的なインサイトに変換する重要なステップです。ProcessMindの大きな特長は、データの追加・削除・有効化・無効化をいつでも柔軟にできる点です。データ統合の順序や決まったやり方の制約はありません。
データ利用には主に2つのアプローチがあります:
- プロセス定義後にデータ追加:先にプロセスの枠組みを作ってから、データを組み込み、抜けや改善点を特定して分析を深めます。
- データからスタート:eventデータを初期プロセスマップとして取り込み、そこからモデル化を進めます。
この柔軟性により、状況に合わせてベストな方法を選べます。
このドキュメントでは、空のキャンバスからプロセスや分析を一歩ずつ構築していくことを前提としています。既存のプロセスから始めたい場合は、既存のBPMNモデルをインポート し、インポートしたモデルのTaskやEventにデータを直接マッピング することもできます。
Step 1: 空のキャンバスからはじめる
最初に新規プロセス作成または既存のプロセスを開きます。キャンバスはモデルの土台になり、ここでデータセットをマッピング・整理します。 データセクションで未アップロードの場合も、プロセスビューの右パネルから「モーダル」セクション経由で直接データを追加できます。

データセットを選択
データセットをアップロードし処理が完了すると、システムより利用可能の通知が届きます。Dataset Listから選択でき、直近アップロード分は常に一番上に並びます。
データセットにカーソルを合わせると、次のような追加情報がツールチップで表示されます:
- データセット名
- 行数
- ファイルサイズ・ファイル名
- アップロード日時
これにより、正しいデータセットを確実に選べます。
選択後はシステムによる事前処理が行われ、データセット名横にローディングアイコンが表示されます。
プロセス内での分かりやすさ重視で、その用途にあわせてrenameも可能です。スイッチでプロセスごとの有効/無効切り替えも行えます。
データセットオプション

データセット設定メニューでは、データセット管理やカスタマイズに役立つ多彩なオプションが利用できます。主な項目は次の通りです:
Edit Dataset(データセット編集): データセット内容を素早く修正・更新できます。
Unlink Data(リンク解除): プロセスで不要になった際に利用。プロセスキャンバス上の参照が削除されます。 補足: データセット自体は削除されず、Dataset Listに残ります。
Dataset Colors(色変更): 可視性向上のために色分け。選択色は該当アクティビティにも自動適用されます。
Auto Map Dataset(自動マッピング): データセット内アクティビティを、既存プロセスモデル上で自動マッピング可能。時間短縮と一貫性向上に。
Remove All Mappings(全マッピング解除): 全アクティビティのマッピングをリセット。作り直しや大幅な変更時に便利です。
Reset Layout(レイアウトリセット): キャンバス上のアクティビティ配置や関係性を自動で整理。
Location(配置場所): 自動生成モデルの配置先を選択。
- AI(自動検出): 最適な場所を自動設定
- Inside Model: キャンバス内に表示
- Outside Model: キャンバス外に表示、分離含む
Show in Model(モデル内表示): モデルで直接マッピングされていないアクティビティの表示/非表示切り替え
Statistics(統計): データセット概要を即座に確認
- Number of Cases and Events: 件数・event数
- Original Data Source Name: 元データソース名
これらのオプションで、プロセスモデル内のデータセット統合・表示・動作が効率的に管理でき、スムーズなワークフローが実現します。
データをプロセスへマッピング
データセットの読み込みが完了すると、システムはprocess mining結果を自動でキャンバスに表示します。この最初のプロセスマップは、まだどの要素にも固定されていないフローティングモデルです。これをプロセス設計の一部として編集可能にするには、既存モデルやアクティビティへマッピングするか、固定モデルへ変換する必要があります。
モデルをキャンバスへ固定する
フローティングモデル内のアクティビティをキャンバスに固定する主な方法は2つあります:
個別選択: 特定アクティビティを個別に選択してマッピング
まとめて選択: 選択ツールやショートカットで複数アクティビティを一括選択
- Shift+ドラッグ: 対象を囲み複数選択
- 全選択:
Ctrl + A(Windows)やCommand + A(Mac)で全アクティビティ選択
選択するとコンテキストメニューが出ます。ここで「Add to Model」を選ぶと、選択内容がキャンバスへ固定されます。
- アクティビティへコンテキスト追加
- 他属性との関連付けや、追加属性のマッピング/解除も可能
データセットのプロセスマップをキャンバスに固定することで、詳細な属性・関係性・コンテキストを加え、本当の意味で業務データが活用できるようになります。
Unmapped Activities(未マッピングアクティビティ)
未マッピングアクティビティは、データセットに含まれているがプロセスモデル内で属性に関連付けされていないアクティビティです。こうした内容は、今後統合が必要な要素や設計上のギャップを示します。
Unmapped Activitiesの表示をONにすると、未マッピングデータが点線で視覚的に示され、すでにマッピング済みのものと区別できます。
例では「Before(非表示)」と「After(表示)」の違いを比較できます:
- Before: 未マッピングは非表示
- After: 点線で未マッピングアクティビティが強調表示
この機能を使えば、未統合データの確認・管理が容易になり、プロセスモデルの網羅性と正確性向上につながります。
まとめ
ProcessMindでデータセットをマッピングすると、データをプロセス分析の強力なツールに変えられます。あらかじめプロセスを定義して始めても、生データから始めてもOK。プラットフォームの柔軟性で、必要に応じてモデルを構築・修正できます。これらの手順を踏めば、有益なビジネスインサイトを得られる最適なプロセスモデルを作成し、継続的なプロセス改善を実現できます。