エクスプレッションの活用方法
Expressions
ProcessMindの式機能を使えば、ダッシュボード内でリッチテキスト生成や動的コンテンツを実現できます。エクスプレッション(式)を活用することで、データに合わせて自動で変化する直感的かつ分かりやすいビジュアライゼーションを作成できます。 ユーザーの操作やデータ更新に応じて内容が変わるため、常に最新でインサイトのあるダッシュボードが保てます。本ガイドでは、エクスプレッション活用例や書き方をご紹介します。
基本
基本的な使い方として、エクスプレッションでメトリクスや属性を直接テキスト内に参照できます。データの変化に合わせて自動で更新される動的コンテンツを簡単に作成できます。
例1: 表示中のケース数と総ケース数
アクティブなケース数と全体ケース数を表示する場合:
Nr of cases in view: ${metric} / Total Cases: ${total}
${metric}
は現在値、${total}
はケースの合計です。
例2: 除外されたケース数の表示
合計から差し引いたケース数を表示したい場合:
Nr of cases not included: ${total - metric}
${metric}
は現在の指標値、${total}
はケースの総数を表します。
例3: 関数によるケース比率の表示
表示中ケースの比率をパーセンテージで出したい場合:
Percentage of cases in view: ${formatPercentage(metric)}
${metric}
はケースに設定された現在値です。
利用可能な関数
ProcessMindでは、エクスプレッション内で活用できる関数をサポートしています。計算やフォーマット、動的な値取得など、メトリクスや属性と組み合わせて柔軟なテキストアウトプットが可能です。
関数 | 説明 | 例 |
---|---|---|
round(value, decimals?) | 値を四捨五入します。小数点の指定も可能。 | ${round(metric, 2)} → 123.46 |
power(base, exponent) | 指定した数のべき乗(pow と同じ)。 | ${power(2, 3)} → 8 |
pow(base, exponent) | power のエイリアス。 | ${pow(metric, 2)} |
sqrt(value) | 平方根を求めます。 | ${sqrt(metric)} |
abs(value) | 絶対値(負号を外す)を返します。 | ${abs(metric)} |
ceil(value) | 値を切り上げして整数化します。 | ${ceil(3.2)} → 4 |
floor(value) | 値を切り捨てして整数化します。 | ${floor(3.8)} → 3 |
exp(value) | 自然対数の底eのべき乗を返します。 | ${exp(1)} → 2.718... |
log(value) | 自然対数(底e)を返します。 | ${log(metric)} |
mod(dividend, divisor) | 割り算の余りを返します。 | ${mod(10, 3)} → 1 |
formatDate(date, format?) | 日付を指定フォーマットで表示します。 | ${formatDate(created_at, "YYYY-MM-DD")} |
formatDuration(ms) | ミリ秒を読みやすい期間表記に変換します。 | ${formatDuration(metric)} → 3d 4h 5m |
formatPercentage(value) | 小数値をパーセンテージ表示します。 | ${formatPercentage(metric)} → 75% |
getVariable(name) | 任意に定義した変数の値を取得します。 | ${getVariable("Case Id")} |
Tip: 関数は入れ子や演算の組み合わせも可能です。
例:
${formatPercentage(round(metric / total, 2))}
この例は比率を計算し、小数2桁に丸めた上でパーセンテージ表示します。
まとめ
メトリクス・属性・演算子・関数等を自由に組み合わせることで、ただ数字を表示するだけでなく、プロセスのストーリーを伝えるダッシュボードが作れます。エクスプレッションを使えば、ユーザーのフィルターや操作にも自動で連動する動的テキストやインサイトを提供できます。
パーセンテージ表示、KPIハイライト、可読性の高い値の書式化なども、コード不要で実現可能です。
こうしたツールを活用し、ユーザーに役立つインサイトや傾向をわかりやすく提示しましょう。少しの工夫で、ダッシュボードはインタラクティブなナレーティブとなり、意思決定を強力にサポートします。