Process Architecture Updated 2026年9月26日
ARISの代替ツールを選ぶ際のポイント
ARISは詳細なリポジトリ、ProcessMindは業務に必要な機能に絞った製品です。機能を一覧で比較します。
ARISの代替ツールを探すのは、ソフトウェアを増やすためではなく、減らすためというケースが少なくありません。ARISは数十年にわたり、詳細な情報を蓄積するリポジトリとして使われてきました。一方、ProcessMindは、今四半期にプロセス業務を前に進めるうえで必要な機能に絞った製品です。
そこでこのページでは、ベンダーの紹介ページが避けがちなことに取り組みます。機能一覧を公開し、ARISに強みがある項目を明示したうえで、現代のプロセスチームにとって重要な項目を説明します。
ARISのほうが機能は多く、その点を取り繕うつもりはありません。私たちが開発したのは、プロセス業務を完了させるための機能に絞った製品です。プロセスを分析し、モデル化し、変更をシミュレーションして、導入プロジェクトを立ち上げずに1つのワークスペースで結果を公開できます。
ARISとProcessMindの比較:機能一覧
以下の一覧では、ARISに明確な強みがある項目が3つ、ProcessMindに強みがある項目が5つ、両者にそれぞれの特徴がある項目が1つあります。
| 項目 | ARIS | ProcessMind | 優位性 |
|---|---|---|---|
| エンタープライズアーキテクチャ | ArchiMateクラスのアーキテクチャ、アプリケーション層、テクノロジー層を1つのリポジトリで管理 | プロセスアーキテクチャ、階層、オーナーを管理。アプリケーション層とテクノロジー層には対応しません | ARIS |
| 表記法 | BPMN、EPC、ArchiMateクラスなど、さまざまなモデルタイプに対応 | BPMN 2.0とバリューストリームマッピングに対応 | 一長一短 |
| リポジトリの規模 | 大規模なモデルカタログと長年の慣習を持つアーキテクチャ業務向け | チームが実際に維持管理するプロセス向け | ARIS |
| エコシステムとスキル | 数十年かけて築かれた、広く普及し、習得しやすいスキル基盤 | 設定項目が少なく、必要な専門家も少数 | ARIS |
| 最初の成果が出るまでの時間 | 問い合わせを起点に導入。通常は導入プロジェクトの一環 | セルフサービスで登録し、当日中に最初のプロセスマップを作成 | ProcessMind |
| 製品の構成 | 1つの製品群としてライセンス提供・運用される複数のモジュール | 1つのプロセス定義を基盤とする、単一のワークスペース | ProcessMind |
| シミュレーション | より広範なプラットフォームで利用可能 | 同じモデルを使ったWhat-if分析に対応。イベントログがなくてもモデルだけで実行可能 | ProcessMind |
| ユーザー体験 | エンタープライズ向け。トレーニングと設定が前提 | ブラウザーで利用でき、ノーコードで、アナリストやプロセスオーナー向けに設計 | ProcessMind |
| 価格 | 非公開。案件ごとに見積もり | シート単位のプランを公開し、月ごとに利用可能(価格を見る) | ProcessMind |
ARISの項目は公開情報(aris.com、2026年9月26日閲覧)に基づいています。ProcessMindの項目は当社製品について説明しています。
純粋な機能の奥行きに関する3項目ではARISに強みがあり、アーキテクチャ業務を担う組織にとっては、いずれも重要です。プロセスに関する疑問に答え、モデル化し、今四半期中に検証するための5項目ではProcessMindに強みがあります。表記法は、両者にそれぞれの特徴がある項目です。ARISはより多くのモデルタイプに対応し、ProcessMindはBPMN 2.0とバリューストリームマッピングに対応します。必要な機能がそろっていれば、機能を絞った製品のほうが適している場合もあります。
重要なのは、どちらのツールに項目が多いかではなく、チームが実際にどの項目を使うかです。この一覧を選定基準としてご覧ください。ARISの代替ソフトウェアをお探しの場合、実際に使う項目が要件となり、それ以外は負担になることもあります。モデリングだけを目的にARISのBPM代替ツールをお探しなら、機能を絞ったモデラーで十分かもしれません。
チームがARISの代替ツールを探す理由
見直しのきっかけとなる変化は主に4つあり、そのうち価格に関するものは1つだけです。
**価格の透明性。**ARISは定価を公開していません。価格ページからはデモや問い合わせに案内されます。エンタープライズソフトウェアでは一般的な方法ですが、初期段階で予算を立てにくくなります。ProcessMindは価格ページでシート単位の3つのプランを公開しています。違いは価格の透明性であり、当社のほうが安いという主張ではありません。必要なシート数に応じた当社の価格を確認でき、ARISでは個別に見積もりを依頼できます。
**所有者の変更。**Software AGから分離した後、SAG Aris GmbHがaris.comでARISを販売しています。旧Software AGのARIS URLは現在利用できず、コミュニティはariscommunity.comで運営されています。この変更をきっかけにSoftware AGのARIS代替ツールをお探しの場合は、モデル形式、エクスポート方法、チームが必要とする機能のサポート体制を確認するとよいでしょう。
**製品群の規模。**ARISは数十年をかけて、独自の手法や表記法、マイニング、ガバナンス、アーキテクチャの各モジュール、専門家向けのリポジトリモデルを備えた大規模な製品群へと発展しました。それ自体に問題があるわけではなく、機能の奥行きが必要な場面では、その価値を発揮します。一方で、規模が大きいほど、設定、トレーニング、慣習の維持、アップグレードに継続的なコストがかかります。少数のプロセスを文書化し、測定して改善することが目的なら、使わない規模の分まで費用を負担することになります。その場合、ARISの代替に求められるのは機能の少なさではなく、運用する範囲の小ささです。
**モデルとプロセスデータを1か所に集約。**モデルは業務のあるべき姿を示し、イベントログは実際に行われた業務を示します。両者を比較するには、モデリングとマイニングを別々のモジュールで行き来するのではなく、同じワークスペースで扱う必要があります。
ARISが今も優位な点
ARISは劣った製品ではなく、非常に大規模な製品です。その強みのうち、特に3つは明確です。
- **ArchiMateクラスのアーキテクチャ。**アプリケーション層、テクノロジー層、ビジネス層を1つのリポジトリで管理できます。ProcessMindはこの機能を提供しておらず、そのように見せるつもりもありません。
- **大規模なリポジトリのガバナンス。**数千のモデルを扱う組織向けに、数十年かけて慣習、バージョン管理、公開の仕組みが整えられています。
- **定着したスキル基盤。**ARISの専門知識は広く普及しており、長年にわたるトレーニング資料も整っています。
両者の違いが表れるのは表記法です。ARISはEPCやArchiMateクラスを含む、より多くのモデルタイプに対応しています。ProcessMindはBPMN 2.0とバリューストリームマッピングに対応しているため、バリューストリームとその下位モデルを1つの成果物として扱えます。EPCが必要ならARISが適しています。既存モデルの上にバリューストリームを描きたい場合は、ProcessMindが適しています。
この3つの強みが業務の中心であれば、ARISを使い続けるのが適切です。機能を絞った製品を選んでも、その判断は変わりません。
製品群ではなく、1つのワークスペース
ProcessMindの主な強みは見た目ではなく、設計にあります。最初から1つの製品として構築されています。
ARISは、ライセンス提供、運用、導入が製品群の各モジュールに分かれていることが多い構成です。ProcessMindでは、プロセスマイニング、BPMN 2.0モデリング、バリューストリームマッピング、シミュレーション、ダッシュボード、AI支援のすべてが同じプロセス定義を参照します。
この違いは、毎週繰り返す作業の流れに表れます。製品群では、分析する前にモデルをエクスポートまたは同期し、分析結果をモデル化する前に再入力する必要があります。1つのワークスペースなら、マイニングしたプロセスをそのまま編集でき、シミュレーションはモデルを使って実行できます。バリューストリームも、手作業で同期を保つのではなく、同じBPMNモデル上に描けます。ARISのプロセスマイニング代替ツールを選ぶなら、この隔たりを埋められることが重要です。そうでなければ、確認する場所が増えるだけです。
1つのワークスペースなら、メンバーを招待する場所も、権限を管理する方法も、文書を保管する場所も1つです。作業手順やSOPは、モデルの隣にある文書保管庫ではなく、説明対象のアクティビティに成果物として紐づきます。AI支援も同じ定義を使います。プロセスを自然言語で説明して最初のBPMN案を作成したり、マイニングしたプロセスをエクスポートせずに要約したりできます。
ただし、ArchiMate、アプリケーションポートフォリオ、テクノロジー層には対応していません。ここはARISに強みがある項目であり、実際に差が出る部分です。この深さを備えたARISのプロセスアーキテクチャ代替ツールが必要であれば、その要件を基準に評価してください。
シミュレーション:変更を実装する前に検証
シミュレーションは、図の見た目だけでなく、意思決定の進め方を変えます。
多くのツール環境では、会議でプロセス変更を議論し、実際の業務で初めて結果が分かります。シミュレーションなら、変更を先に試せます。ステップの変更、役割の追加、キャパシティの調整を行い、シナリオの段階でサイクルタイムや処理量への影響を確認できます。
イベントデータがなくても始められます。モデルはあるもののイベントログがない場合、ProcessMindはBPMNの構造からパラメーターを提案し、仮想イベントログを作成できます。そのため、変更案を実装前に検証できます。イベントログがある場合は、同じエンジンで実測時間を使い、シナリオと実際の状況を比較できます。
最初のケースでは注意が必要です。データのないモデルは、前提を見える形にしたものです。シミュレーションの文書化でも、その点を明確にしています。その前提を明記してください。それでも、図と意見だけで判断するより、よい判断材料になります。
問い合わせ不要で確認できる価格
価格を公開し、月ごとに契約できます。多くのARIS競合製品は、案件ごとに見積もりを提示しています。
ProcessMindにはシート単位の3つのプランがあります。Foundationは1シートあたり月額29ユーロ、Architectureは99ユーロ、Intelligenceは299ユーロです。通常は月払いで、年払いの割引もあります。有料シート1つにつき、閲覧専用シートが10席無料で含まれます。14日間の無料トライアルでは、契約を決める前に実際のデータを使って試せます。
導入費用の見積もりや、最低契約期間の交渉は必要ありません。登録して、プラットフォームを使うメンバーを招待し、業務の変化に応じてシート数を変更できます。ここでいうセルフサービスとは、製品が単純という意味ではなく、契約手続きにプロジェクトが必要ないということです。
これらは、ProcessMindがARISより安価だという主張ではありません。契約条件は比較できず、当社にはARISの見積もり情報もありません。比較できるのは、導入を決めるまでの透明性です。必要なシート数に応じた当社の価格を今すぐ確認でき、ARISでは個別に見積もりを依頼できます。ライセンス価格だけでなく、データ準備やプラットフォーム運用に必要な社内工数も含めて、総保有コストを比較してください。
ARISからProcessMindへの移行方法
このページでは、移行について正直にお伝えする必要があります。簡単だと一律に言うのは正確ではありません。
共通しているのはBPMN 2.0です。ARISのライセンスでBPMN 2.0 XMLにエクスポートできる場合、モデルの表記法とレイアウトを保ったままインポートできます。ProcessMindはBPMN 2.0 XMLに対応しており、単一ファイルでも複数ファイルをまとめたzipでもインポートできます。対応するケースについては、インポートとエクスポートの文書をご覧ください。
EPCやArchiMateクラスのコンテンツはインポートできません。通常、こうした関係性は再構築が必要です。BPMN 2.0で描き直すか、アプリケーションではなくプロセスやオーナーに関する内容であれば、プロセスアーキテクチャでモデル化します。
文書はそれぞれ別の場所に保管されています。作業手順書、SOP、スプレッドシート、PDF、画面キャプチャは、artifactとしてアクティビティに添付できます。説明をフォルダーに埋もれさせず、対象のステップと一緒に確認できます。
エクスポートできないモデルの作成には、AIが役立ちます。プロセスを自然言語で説明し、最初のBPMNドラフトを作成したら、実際にプロセスを担当する人に確認してもらいます。古いモデルを要素ごとに作り直すより早く、関係者の合意を得たモデルに仕上げられることも少なくありません。
-
1つのバリューストリームをBPMN 2.0 XMLでエクスポート
カタログ全体ではなく、最も重要なプロセスから始め、事前にエクスポート形式を確認します。 -
インポートして、引き継がれた内容を確認
ProcessMindでモデルを開き、表記法、レイアウト、属性、ほかの要素へのリンクを確認します。移行できたものとできなかったものを記録します。 -
エクスポートできなかった内容を再作成
モデルを描き直すか、AIでドラフトを作成し、実際にプロセスを担当する人と一緒に修正します。EPCやArchiMateの内容は、通常、変換ではなく再作成が必要です。 -
文書をアクティビティに添付
作業手順書やSOPは、説明対象のステップにartifactとして添付し、モデルと一緒に確認できるようにします。 -
オーナーとレビュー日を設定
オーナーがいないモデルは、次第に実態と合わなくなります。誰が最新の状態を保つのか、いつ見直すのかを決めておきます。
うまく進めても、移行にはプロジェクトとしての取り組みが必要です。移行そのものが目的とは限りません。どのモデルを実際に維持するのか、誰がオーナーになるのか、どれを廃止するのかを決める機会でもあります。2年間オーナーがいなかったモデルを移しても、問題が移るだけです。
まずは1つのバリューストリームに対象を絞り、残りのカタログは読み取り専用の参照資料として残します。プロセスはレビューの時期に合わせて移行します。モデルのカタログを維持するコストについては、プロセスガバナンスに関する記事をご覧ください。
どちらを選ぶべきか
比較表を見ると、プロセスチームには一方が、アーキテクチャの実践にはもう一方が適しています。
Stay on ARIS
- Your architecture practice depends on ArchiMate, application or technology layers
- Repository governance at scale is the point of the platform
- You have the skills, the budget and the appetite for an enterprise suite
ARIS is the deeper architecture repository, and this is the case where that wins.
Move to ProcessMind
- You need mining, modeling, simulation and value streams in one workspace
- You want to test a change before implementing it, with or without event data
- You want published prices, month-to-month terms and a self-service start
A smaller feature set, with the features a process team needs to finish the work.
プロセスチームにはProcessMindをおすすめします。強みとなる項目が、問いを検証済みの変更につなげるうえで役立つためです。一方、アーキテクチャの実践にはARISが適しています。機能の深さは、熱意だけで補えるものではありません。
3つ目の選択肢として、ARISをアーキテクチャリポジトリに使い、測定やシミュレーションが必要なプロセス業務にはProcessMindを使う方法もあります。どちらか一方に絞る必要はなく、まず1つのプロセスで使い分けを試せます。ARISに限らずアーキテクチャツール全般を比較する場合は、エンタープライズアーキテクチャツールをご覧ください。
Where to Go From Here
You can test the migration on one real model, check the architecture capability, or compare us with the process-intelligence platforms as well.