なぜ市販コネクタを使わないのか—私たちの代替策
市販のコネクタは簡単なデータ抽出を約束しますが、現場では複雑化・遅延・ベンダーロックインを招きがち。私たちはデータテンプレートでシンプルに始めます。
学べること
このガイドは、Process Miningのデータを「意味のある洞察」に変えるための6つの実践ステップを順に解説します。ダッシュボードの読み解き方、パターンの探し方、焦点の絞り方、そして現場を動かす示唆の伝え方まで学べます。
「プロセスマイニングを使えばインサイトが手に入る」― よく耳にしますよね。でも実際は、インサイトは勝手には生まれません。たとえProcessMindのような最新ツールでプロセスを自動発見し、指標を計算できても、その数字を実行可能な改善策に落とし込むには、手間とスキルが要ります。
確かに、AIのレコメンドは、以前なら手作業で何時間もかかった気づきをほぼ手間なく提示してくれます。ProcessMindのAIレコメンドなら、ボトルネックや改善ポイントを自動で浮き彫りにします。それでも、最終的に分析の舵を切るのはあなたです。
分析が得意な人もいれば、どこから始めればよいか迷う人もいます。どちらのタイプでも、このガイドはプロセスマイニングのデータからより良いインサイトを引き出す助けになります。今回は分析フェーズに絞って、「ダッシュボードを手にした後、何をすべきか」を具体的に見ていきます。
いきなり分析に入る前に、ダッシュボードが何を示しているのかを丁寧に把握しましょう。
まずはプロセスマイニングのdashboardにある可視化を一つずつ確認します。
ここを急いではいけません。ベテランでも、確認せずに前提で読んでしまい、チャートを誤解することがあります。
自問してみましょう: この数字を、自分の知っているプロセスの実態で説明できるか?
たとえば、注文処理の平均サイクルタイムが5日とdashboardに出ているなら、現場の感覚と合っているか。プロセスフローで40%のケースが想定外の経路を通っているなら、その理由を説明できるか。
数字と理解が一致しないところこそ、学びの起点です。
説明がつかない現象に出会ったら、個々のケースを掘り下げます。Case Explorerなら、特定のケースをステップごとに確認できます。
多くの場合、データが語るストーリーは想像と少し違います。システムで記録されない手順があったり、アクティビティの意味を取り違えていたりするものです。
大事な前提があります。データは決して完璧ではありません。 記録されない工程があったり、タイムスタンプの精度にばらつきがあったり、アクティビティ名が統一されていないこともあります。
すべてを一度に直そうとせず、手元にあるデータと付き合うコツを身につけましょう。制約を明記し、その前提を踏まえて分析することが肝心です。
学んだことを文章にしましょう。
このドキュメントがあれば、他の人も内容を理解しやすく、後日の発表で自分の考えを思い出す助けにもなります。
プロのコツ
データ改善のアイデアは別リストで管理しましょう。早い段階でデータ品質の改善に入りすぎると、分析が本筋から外れがちです。まずはインサイトを出し、次のラウンドでデータを磨けば十分です。

ダッシュボードの読み方が分かったら、次は探索です。この段階では、特定の答えを求める必要はありません。データに慣れ、気になるパターンや兆しを見つけることに集中しましょう。
プロセスアニメーションは、プロセスの実際の流れを最速でつかむ方法です。
数分間流しっぱなしにしてみてください。静的なチャートでは見落とすパターンが浮かび上がってきます。
フィルターを使って、多面的にデータを切ってみましょう。
フィルターを変えるたびに、プロセスの新しい側面が見えてきます。
セレクターを使って、さまざまなディメンションで分析しましょう。
一見ひとつのプロセスに見えて、実は名前だけ同じ複数のプロセスが並走している、という発見も珍しくありません。
すべてのケースはプロセス内でそれぞれの経路をたどります。プロセスバリアントでは、その固有の経路と発生頻度が分かります。
少数のバリアントが全体の大半を占め、希少なバリアントが例外・イレギュラーを表すことがよくあります。
探索しながら、見えている現象を自分の言葉で説明してみましょう。特定のパターンがある理由を、ストーリーで表現してみます。
こうしたストーリーはパターンの記憶を助け、より深い分析に向けた仮説づくりに役立ちます。
データ品質への注意
探索の過程でデータの品質問題はほぼ確実に見つかります。回避できるなら一旦やり過ごし、難しければ改善候補として記録しておきましょう。ただし、分析自体を止めないことが大切です。
探索を終えると、最初よりも疑問が増えているはず。いい流れです。ここで優先順位をつけましょう。
ステップ1と2のメモを振り返ります。
観察結果にドメイン知識を重ね合わせましょう。プロセスの専門家は最大の課題をどこだと考えているのか。改善余地はどこにありそうか。
分析で答えたい具体的な問いを書き出しましょう。例:
一度にすべてには答えられません。質問に優先度を付け、上位3〜5件に集中しましょう。
優先質問ごとに:
プロセス分析は反復作業です。よくこんな反応が返ってきます。
意味のある洞察にたどり着くには時間がかかります。優先度の高い問いに集中し、脇道の面白そうな話に引っ張られすぎないように。
分析は何度でもやり直せます。まずは主要な問いに答えて進捗を示し、次の深掘りに向けて信頼を積み上げましょう。
ここからが詳細分析の出番です。優先度の高い問いごとに、プロセスマイニングの機能を使って体系的に掘り下げていきます。
問いによって、使う分析ツールは変わります。
| 質問のタイプ | 使うツール |
|---|---|
| 時間はどこで消えている? | プロセスグラフ(時間系指標) |
| ボトルネックはどこ? | プロセスアニメーション、活動別時間チャート |
| ケースはなぜ逸脱する? | バリアント分析、パスフィルター |
| 最も一般的なパスは? | プロセスグラフ、バリアント分析 |
| 誰が何をしている? | リソースセレクター、ワークロードチャート |
各問いに対して、次の流れで進めます。
インサイトが出てきたら、その場で記録しましょう。
プレゼン用に、ProcessMindからチャートを直接エクスポートできます。
この段階で、データ品質が分析を致命的に妨げているなら対処しましょう(多少の不備はひとまず後回しで構いません)。ただし、的を絞って。優先質問に答えるうえでの阻害要因だけを直します。
よくあるプロセス上の疑問に答えるための具体的な分析手法を紹介します。手法ごとに、ProcessMindのさまざまな機能を使ってインサイトを引き出します。
目的: 各ケースにどれくらい時間がかかり、どこで時間が費やされているかを把握する。
使用ツール: 時間系指標付きのプロセスグラフ、時間分布チャート
進め方:
注目ポイント:
重要なポイント: サイクルタイムが長い原因は、実作業ではなく待機時間であることが多い。5日かかるプロセスでも、実作業は合計2時間ほど、というのは珍しくありません。
目的:ケースが詰まりやすい、または遅延しやすい箇所を特定する。
使用機能:プロセスアニメーション、プロセスグラフ、アクティビティ別時間チャート
進め方:
プロセスアニメーション:アニメーション上でドットが溜まるアクティビティを確認します。いわば「渋滞ポイント」が、待ちが発生しているボトルネックです。
プロセスグラフ:時間系の指標に切り替え、所要時間の長い接続を特定します。特に流入側の所要時間が長いと、その前段でケースがキューになっているサインです。
棒グラフ:「アクティビティ別の時間」チャートで、全体の時間を最も消費している工程を洗い出します。
注目ポイント:
重要なポイント:ボトルネックは多くの場合、遅いアクティビティ「そのもの」ではなく、その直前で発生します。工程自体はすぐ終わるのに、次工程のキューで待たされるケースが典型です。
目的: ケースが不要に同じ手順を繰り返している箇所を見つける。
使うもの: プロセスグラフ、プロセスアニメーション、バリアント分析
進め方:
見るポイント:
重要なポイント: 品質確認や修正など、ある程度の手戻りは想定内です。ただし過度な手戻りは、要件の不明確さや品質問題、コミュニケーション不全のサインであることが多いです。
目的:実際の流れが、想定どおりに進んでいるかを検証する。
使用機能:プロセスグラフ、バリアント分析、フィルター
進め方:
注目ポイント:
重要な示唆:逸脱は必ずしも悪ではありません。現場の回避策が、実はより良い手順であり、新しい標準になるべきケースもあります。
目的: 誰が何をしていて、負荷がどう分散されているかを把握する。
使うもの: セレクター、フィルター、リソースチャート
進め方:
見るポイント:
重要なポイント: リソース間のパフォーマンス差は、個人の能力ではなく、トレーニング不足やツールの問題、プロセス設計の課題を示している可能性があります。
目的: 時間の経過に伴うケースボリュームのパターンを把握する。
使うもの: 期間フィルター、トレンドチャート、期間比較
進め方:
見るポイント:
重要なポイント: パフォーマンスの問題は、プロセスではなく一時的なボリューム急増が原因のこともあります。ボリュームのパターンを把握すると、キャパシティ計画が立てやすくなります。
目的: ケースがプロセス内でたどる経路の違いを理解する。
使用ツール: プロセスグラフ、バリアント分析、パスフィルター
進め方:
注目ポイント:
重要なポイント: 全体の約80%のケースはごく少数のパスに集中し、残り20%を多数のレアなバリアントが占めることが多い。まずはボリュームの大きいパスから改善しましょう。
手法を組み合わせる
分析手法は組み合わせると効果的です。ボトルネック分析で詰まりどころを見つけ、リソース分析でその理由を掘り下げ、リワーク分析でその後の影響を把握する、といった流れが有効です。
伝わらない分析は、探索で終わってしまいます。変化を生むには、分かりやすく成果を伝えることが不可欠です。
調査した優先テーマごとに、次の枠組みで整理します。
ストーリー性のある構成にしましょう:
主張はプロセスマイニングの可視化で裏打ちしましょう。ProcessMindからそのままライブで見せても、チャートを画像としてエクスポートしても問題ありません。
可能な限り、発見をビジネスの言葉に落とし込みます。
定量化したビジネスケースは、示唆の重要性をステークホルダーに伝える助けになります。
経営層に見せる前に、次の人たちと内容をすり合わせましょう。
このフィードバックループで誤りを潰し、分析の説得力が高まります。
ProcessMindのヒント
インサイトに至ったdashboardのビューはブックマークで保存しておきましょう。発表中の質問対応や、結論に至る過程の再現に役立ちます。
分析をやり切って、結果も共有しました。では、次に何をしますか?
発表のあとは、たいてい次のような動きが出ます。
これらをきちんとトラッキングし、日々の業務に埋もれないようにしましょう。
分析で得たインサイトは、実際のプロセス変更に落とし込んでこそ価値があります。改善を具体化する手順は、プロセス最適化の実装ガイドをご覧ください。
施策を実行したら、効果検証が必要です。時間の経過とともに改善を追跡する方法は、継続的なプロセス監視のガイドで解説しています。
あとから同僚が引き継いだり、次の分析に活かせるよう記録しておきましょう。
こうしたナレッジは、次の分析サイクルにとって大切な資産になります。
プロセスデータから実のあるインサイトを得られたこと自体が成果です。仮説の検証でも、意外な発見でも、改善余地の特定でも、組織に価値をもたらしています。
そして再びサイクルへ。 業務改善に終わりはありません。データから学べることは、いつも次の一歩を教えてくれます。
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