データテンプレート:買掛金(AP)請求書処理

SAP ECC
データテンプレート:買掛金(AP)請求書処理

買掛金(AP)請求書処理用データテンプレート

この包括的なデータテンプレートは、買掛金の請求書処理(AP Invoice Processing)を効果的に分析するために必要な情報を網羅しています。収集すべき主要なデータ属性、追跡すべき重要アクティビティ、そしてSAP ECCから直接データを抽出するための実践的な手順を整理しています。抜け漏れなく情報を取得し、洞察の深いプロセス分析を実現します。
  • 収集推奨の属性
  • 追跡すべき主要アクティビティ
  • 抽出ガイダンス
イベントログについて初めての方へ: プロセスマイニングのイベントログ作成方法.

仕入先請求書処理の属性

仕入先請求書処理を包括的に分析するため、イベントログに含めたい推奨データ項目は次のとおりです。
3 必須 9 推奨 10 任意
名前 説明
アクティビティ
Activity
請求書処理のライフサイクルで発生した、特定の業務ステップやイベントの名称。
説明

この属性は『Invoice Parked』『Invoice Routed For Approval』『Invoice Cleared By Payment』など、買掛金プロセスにおける単一のタスク/ステータス変更を表します。これらのアクティビティはプロセスマップの構成要素で、SAPの変更ログ、ステータス項目、workflowログなどから抽出されます。

アクティビティの順序と所要時間の分析はProcess Miningの中核です。プロセスフローの可視化、ステップ間のボトルネック特定、手戻りループの頻度測定、実行実態を標準手順と照らし合わせることが可能にします。定義するアクティビティの粒度は、得られるインサイトの深さに直結します。

その重要性

アクティビティはプロセスマップの土台です。プロセスの流れを可視化し、ボトルネックの特定や逸脱の分析を行えます。

取得元

伝票の変更に基づき、トランザクションコード(BKPF-TCODE)、ワークフローログ(SWW_WI2OBJ)、変更ログ(CDHDR/CDPOS)から導出します。

請求書伝票を作成請求書承認済み支払いで請求書を消し込み支払ブロック設定
イベント日時
EventTime
特定のアクティビティやイベントが発生した正確な日時。
説明

Event Timeは、各アクティビティに付与されるタイムスタンプ(日時)です。時系列の並び替えや時間分析の基盤となる重要データです。SAPでは作成日時(例:BKPF-CPUDT)や変更ログ(CDHDR-UDATE/CDHDR-UTIME)に格納されます。

この属性は、サイクルタイム、処理時間、アクティビティ間の待ち時間といったKPIの算出に不可欠です。経時的なプロセス性能の分析、ボトルネックの発生時点の特定、さらにはSLAや支払条件の遵守チェックにも用いられます。

その重要性

サイクルタイムやボトルネックを含む期間ベース指標の算出に不可欠なタイムスタンプで、パフォーマンス分析の基盤となります。

取得元

作成はBKPFのCPUDT/CPUTM、変更はCDHDRのUDATE/UTIMEなどから取得。

2023-10-01T10:00:00Z2023-10-02T14:35:10Z2023-10-15T09:12:00Z
請求書
InvoiceNumber
各請求書伝票の一意の識別子。受領から支払いまでの追跡に用いる主要なケースIDです。
説明

Invoice Number は、SAP において通常、会社コード(BUKRS)、伝票番号(BELNR)、会計年度(GJAHR)を組み合わせて構成される複合キーです。この組み合わせにより、システム全体で各請求書を一意に識別できます。

Process Mining では基礎となる属性で、作成・転記・承認・支払いといった関連イベントを1つのプロセスインスタンスに結び付けます。請求書単位で分析することで、ライフサイクル全体を把握でき、サイクルタイムの算出、バリアントの特定、手戻りループの可視化に不可欠です。

その重要性

請求書に関わるすべてのアクティビティを結びつける中核の Case ID です。これにより、請求書ごとに AP プロセスをエンドツーエンドで分析できます。

取得元

SAPテーブルBKPF(会計伝票ヘッダ)のBUKRS、BELNR、GJAHRから構成されます。

1000-1900000001-20232000-5100000055-20231000-1900000042-2024
仕入先名
VendorName
請求書を提出したベンダー(仕入先)の名称。
説明

この属性には仕入先の正式名称が入ります。SAPでは、ベンダーマスタ(テーブルLFA1)が、伝票ヘッダや明細に記録されたベンダー番号(LIFNR)を介して請求書伝票と紐づきます。

ベンダー別の分析は「Vendor Payment Performance」dashboardに不可欠です。特定のサプライヤーの処理時間、支払いの適時性、例外率を追跡できます。継続的に請求品質が低い取引先の洗い出しや、関係管理、条件交渉に役立ちます。

その重要性

仕入先別のパフォーマンス分析が可能になり、関係管理や特定仕入先に紐づく課題の特定に役立ちます。

取得元

SAPテーブルLFA1のNAME1。BKPFまたはBSEGにある仕入先番号(LIFNR)で連携。

Global Office Supplies Inc.Tech Solutions LLCReliable Logistics Corp.
会社コード
CompanyCode
SAP組織内の会社(法的実体)を表す一意のキー。
説明

会社コードは SAP Financials における基本的な組織単位で、独立した会計単位を表します。請求書を含むすべての財務取引は、特定の会社コードに転記されます。

この属性は、法的主体ごとにプロセス分析をセグメント化するうえで不可欠です。法人や事業部ごとに、プロセスのパフォーマンス、順守率、効率性を比較できます。複数の子会社を持つ大企業・多国籍企業では特に重要です。

その重要性

法人別にプロセス分析でき、事業部間のパフォーマンス比較が可能です。

取得元

SAPテーブルBKPF(会計伝票ヘッダ)のBUKRSから。

10002100US01
処理担当者
ProcessorUser
転記や請求書の変更など、当該アクティビティを実行した従業員のSAPユーザー名。
説明

この属性は、特定のプロセスステップを実行した担当ユーザーを識別します。SAPでは、伝票作成者(例:BKPF-USNAM)や、変更を行ったユーザー(例:CDHDR-USERNAME)などが該当します。

Processor Userでの分析は、チームのパフォーマンスや負荷分布の把握に有効です。ユーザー単位の件数や平均処理時間を追跡し、『AP Processor Workload Distribution』dashboardの構築に活用できます。教育・トレーニングの必要性の把握、トップパフォーマーの特定、公平な業務配分の支援につながります。

その重要性

担当者別の業務量分析、パフォーマンス比較、トレーニング機会やリソース偏在の特定を支援します。

取得元

変更はSAPテーブルCDHDRのUSERNAME、伝票起票はBKPFのUSNAMから。

AJONESSMITHBCWILLIAMS
承認者
Approver
支払いのために請求書を承認する責任者(ユーザーまたはロール)。
説明

この属性は『Invoice Approved』アクティビティを実行した承認者を特定します。SAPでは多くの場合workflowで管理され、承認者IDはworkflow履歴に記録されます。

Approver単位での分析は『Invoice Approval Bottleneck Analysis』dashboardの中心要素です。個人/グループごとの承認時間を測定し、恒常的に遅い承認者や承認階層内の負荷分布を把握できます。しばしば主要なボトルネックとなる承認workflowの最適化に不可欠なデータです。

その重要性

承認の責任者を特定し、個人・チーム別に承認リードタイムやボトルネックを分析できます。

取得元

SAP Business Workflowのテーブル(例:SWW_WI2OBJ、SWWLOG)で、Workflowアイテムと請求書オブジェクトを紐づけ、承認ステップのユーザーを特定して取得します。

DMARTINLCHENFINMAN_ROLE
支払ブロック理由
PaymentBlockReason
請求書が支払保留(ブロック)されている理由を示すコード。
説明

請求書に不備がある、または審査中の場合、支払実行に含めないように Payment Block を設定できます。この属性には、数量不一致や価格差など、ブロックの理由が記録されます。

この情報は例外分析に不可欠です。支払遅延や手戻りの根本原因を分類でき、「例外・不一致分析」ダッシュボードを支援します。発生頻度の高いブロック理由を把握することで、例外を減らすための的確な改善が可能になります。

その重要性

支払遅延の根本原因を示し、例外・手戻り・請求書処理時間を減らすための的確な分析を可能にします。

取得元

SAPテーブルBSEG(会計伝票明細)のZLSPRから。

RIA
支払条件
PaymentTerms
支払期日や早期割引など、支払い条件を定義するコード。
説明

SAPにおける支払条件は、請求書の期日や現金割引の計算方法を定めたあらかじめ定義されたルールです。仕入先マスタに設定され、個別の請求書でも指定できます。

本属性は「Payment Compliance & Discounts」ダッシュボードや「Early Payment Discount Capture Rate」KPIに不可欠です。支払条件を分析することで、割引獲得の機会を見極め、支払スケジュールの財務インパクトを把握し、コンプライアンスを確保できます。

その重要性

支払期日や割引のルールを定義するため、資金最適化やコンプライアンス監視に不可欠です。

取得元

SAPテーブルBSEG(会計伝票明細)のZTERMから。

Z0010001NT30
発注書番号
PurchaseOrderNumber
請求計上の基となる発注書の識別子。
説明

購買発注(PO)番号は、請求書を調達プロセスと結び付けます。POベースの請求書では、PO・入庫(GR)・請求書の三点照合に不可欠なつながりです。

この属性は「PO/GR Matching Performance」dashboardの鍵となります。POの有無や照合状況を分析することで、請求書タイプ(POあり/POなし)を切り分け、照合プロセスの効率を測定できます。この領域での遅延は、典型的なボトルネックです。

その重要性

請求書を調達プロセスに紐づけ、POあり/なしの請求書分析や、三点照合(PO–GR–請求書)の効率評価を可能にします。

取得元

FI請求書はSAPテーブルBSEG、MM請求書はRSEGのEBELNから。

450001712345000175894500018330
請求書の支払期日
InvoiceDueDate
支払条件に基づき算出された、請求書の支払期日。
説明

Invoice Due Date は、合意された条件を順守するためにいつまでに支払うべきかを示す期限です。SAP では単一の保管フィールドではなく、通常はベースライン日付(BSEG-ZFBDT)と請求書の支払条件(BSEG-ZTERM)から計算されます。

この日付は「Payment Compliance & Discounts」dashboard の中核となります。延滞率などの KPI 計算や、遅延リスクのある請求書の特定に用いられます。この日付を基準に分析することで、優先順位付けがしやすくなり、仕入先との関係改善にもつながります。

その重要性

支払コンプライアンスの監視、延滞関連KPIの算出、早期支払割引の取得において重要な日付です。

取得元

支払期日計算の基準日(BSEG-ZFBDT)と支払条件キー(BSEG-ZTERM)を基に導出します。

2023-10-312023-11-152024-01-10
請求書総額
InvoiceGrossAmount
税金や諸費用を含む請求書の総額(グロス)。伝票の原通貨建て。
説明

請求書の合計金額を表す属性です。処理中の請求書が財務に与える影響や特徴を把握するうえで不可欠なデータです。SAPでは伝票タイプにより格納先が異なり、財務伝票であればBSEGなどに記録されます。

分析では、高額請求の優先度付け、AP(買掛金)プロセスの金額スループットの把握、セグメント分析に活用します。たとえば、高額の請求書ほどサイクルタイムが長いのか、承認経路が異なるのかを検証できます。財務KPIの基礎となる指標でもあります。

その重要性

プロセスに財務的な文脈を与え、金額に基づく分析や高額請求書の優先順位づけ、財務系KPIの算出を可能にします。

取得元

SAP明細テーブル(例:BSEGのWRBTR〈伝票通貨での金額〉)から取得。ヘッダレベルに集計するための計算が必要になる場合があります。

1500.0012550.75980.50
GR番号
GoodsReceiptNumber
PO ベースの請求書に関連する入庫(Goods Receipt)伝票の識別子。
説明

物品に関わる請求書では、入庫(GR)伝票が仕入先からの納品を確認します。GR番号は、請求書を特定の納品イベントに紐づけるためのキーです。

この属性は「PO/GR照合パフォーマンス」dashboardで利用します。GRの転記から請求書の転記までの時間は重要な指標です。両者の紐づけを分析することで、3点照合(PO/GR/請求)の全体像を把握し、物理受入から会計計上までの遅延を特定できます。

その重要性

三点照合(PO–GR–請求書)を完結させ、納品から請求書処理までの遅延を分析できます。

取得元

SAPテーブルRSEG(伝票明細/受入請求書)のLFBNR(参照伝票番号)から。

500000123450000015675000002100
ソースシステム
SourceSystem
データを抽出した元の SAP ECC システムを識別します。
説明

請求書処理のデータがどのシステム(例:SAPのSystem ID[SID])に由来するかを示す属性です。複数のERPや異種システムが併存する組織では特に重要です。

Process Miningの分析では、システムごとの設定差やプロセス差分を踏まえてデータを識別できます。これによりシステム間比較が可能になり、データリネージを明確にして、データガバナンスや検証の確実性を高めます。

その重要性

データのトレーサビリティを確保し、複数のSAPインスタンスや他ソースが混在する環境でもプロセス分析を可能にします。

取得元

通常は、抽出元ECCインスタンスのSAP System ID(SID)を表す固定値で、データ抽出時に付与されます。

ECC_PROD_EUSAP_US_01E5P
伝票タイプ
DocumentType
SAPで会計伝票を分類し、処理方法を決めるコード。
説明

ドキュメントタイプは、仕入先請求書(KR)、クレジットメモ(KG)、MM 請求(RE)などの取引を区別します。これにより、番号範囲や転記可能な勘定科目などが制御されます。

Process Mining では、ドキュメントタイプで絞り込むと同質なデータで分析できます。たとえば標準の仕入先請求書(KR)とクレジットメモ(KG)ではプロセスが大きく異なることがあります。別々に分析することで、不適切な集計によるミスリードを防ぎ、サブプロセスごとの実態をより正確に把握できます。

その重要性

取引タイプ(例:請求書/クレジットメモ)ごとに分析を分けられるため、より正確で有用なプロセスインサイトが得られます。

取得元

SAPテーブルBKPF(会計伝票ヘッダ)のBLARTから。

KRREKG
伝票通貨
DocumentCurrency
請求書が発行された通貨のコード(例:USD、EUR)。
説明

請求書金額の通貨を示す属性です。SAPでは伝票ヘッダレベルに保存されます。

正しい金額解釈のため、Document Currencyは財務分析に不可欠です。通貨別の絞り込みができ、標準化したレポートや集計に向け、金額を共通のローカル通貨へ換算する前提情報にもなります。

その重要性

金額を解釈するための前提となる通貨情報を提供し、通貨別の分析や基準通貨への換算を可能にします。

取得元

SAPテーブルBKPF(会計伝票ヘッダ)のWAERSから。

USDEURGBP
最終データ更新
LastDataUpdate
このレコードのデータがソースシステムから最後に更新された日時を示すタイムスタンプ。
説明

この属性は、SAP ECCからの最新のデータ抽出/更新日時を示します。取引データそのものではなく、取り込み時に付与されるメタデータです。

主な用途は、閲覧中のデータの鮮度を示すコンテキストを提供することです。dashboardやレポートにおいて、分析の最新性を利用者に伝え、直近の取引が含まれていない可能性への期待値の調整に役立ちます。

その重要性

データセットの鮮度を示します。プロセスのインサイトやダッシュボードの最新性を把握するうえで重要です。

取得元

データの抽出・変換・格納(ETL)プロセスで生成・付与されるメタデータです。

2024-05-21T02:00:00Z2024-05-22T02:00:00Z2024-05-23T02:00:00Z
割引取り逃し
DiscountLost
利用可能な早期支払割引を適用しなかった場合に true になる計算フラグ。
説明

この属性は、支払い条件に早期支払い割引が設定されていたにもかかわらず、割引期限を過ぎて支払われた請求書を識別します。『Payment Terms』から導出される割引期限と実際の支払い日を比較して判定します。

これは『Early Payment Discount Capture Rate』の重要な財務KPIで、コスト削減の機会損失を可視化します。なぜ割引を逃したのか(例:承認サイクルの長期化、支払いブロックなど)を分析すれば、投資対効果の明確な改善プロジェクトの根拠になります。

その重要性

見逃している割引機会を可視化し、「早期支払割引獲得率」KPIを直接後押し。改善効果を金額で示し、取り組みの明確なインセンティブになります。

取得元

計算フィールド:(支払条件に割引がある) かつ (支払日 > 割引適用期限) の場合は TRUE、それ以外は FALSE。

truefalse
反転済み
IsReversed
請求書伝票が取り消し(リバース)されたかどうかを示すフラグ。
説明

この属性は、取り消しまたは反転が行われた請求書にフラグを立てます。これは重大なエラーやプロセス障害を示す重要イベントです。SAPでは、反転された伝票は対応する取消伝票と関連付けられます。

反転された請求書の把握は、プロセス品質や失敗率を理解するうえで重要です。これらのプロセス終端の例外を主たるプロセスフローから切り出し、なぜ反転が発生するのか、どのように防止するのかを明らかにするための原因分析に役立ちます。

その重要性

取消された請求書にフラグを付与します。これはプロセス失敗の重要なシグナルであり、重大なエラーの原因分析に役立ちます。

取得元

他の伝票のBKPF-STBLG(反転伝票)に当該伝票番号(BKPF-BELNR)が存在するかを確認します。

truefalse
期限超過
IsOverdue
支払期日を過ぎて支払われた場合に true となる計算フラグ。
説明

このブール型属性は、'Invoice Cleared By Payment' の日付と 'Invoice Due Date' を比較して導出します。支払日が期日を過ぎていれば true に設定されます。

'Overdue Payment Rate' KPIや 'Payment Compliance & Discounts' dashboard を直接支える属性で、遅延支払いの抽出・集計を容易にし、問題規模を定量化します。遅延請求書の特性(例:仕入先、会社コード)を分析すれば、根本原因の把握につながります。

その重要性

支払条件の遵守度を直接測定し、延滞率KPIの基礎となります。仕入先との関係改善やペナルティ回避に有効です。

取得元

計算フィールド:(支払日 > 請求書の期日) の場合は TRUE、それ以外は FALSE。

truefalse
自動処理
IsAutomated
人が実行したのか、システム/バッチユーザーが実行したのかを示すフラグ。
説明

このブール型属性は、バッチ、EDI、OCRなどによる自動処理か、ユーザーによる手作業かを区別します。通常はアクティビティに紐づくユーザー名の分析から判別します。

'Manual vs. Automated Processing' dashboardの基礎となる情報で、自動化施策の効果測定、Manual Intervention Rate KPIの算出、手作業削減の余地の特定に役立ちます。人とシステムのタッチポイントを正しく見極めることが効率化の鍵です。

その重要性

プロセスの自動化度を測定し、手作業のボトルネックを特定。自動化施策の効果も追跡できます。

取得元

ユーザーID(例:CDHDR-USERNAME)が、あらかじめ定義したシステム/バッチ/サービスアカウントのリストに含まれるかで判定します。

truefalse
請求書処理時間
InvoiceProcessingTime
最初のアクティビティ(例:請求書作成)から最後のアクティビティ(例:支払い)までに経過した合計時間。
説明

各請求書のエンドツーエンドのサイクルタイムを測る計算指標です。あるケース(Invoice Number)における最終イベントのタイムスタンプから、初回イベントのタイムスタンプを差し引いて算出します。

'End-to-End Invoice Cycle Time' dashboardの主要KPIで、プロセス全体の効率を俯瞰できます。平均・中央値・分布を分析することで、傾向の把握、改善施策の効果測定、目標設定に役立ちます。

その重要性

プロセス全体の効率を測る主要KPIです。継続的なトラッキングにより、エンドツーエンドのライフサイクルに対する改善施策の効果を可視化できます。

取得元

計算フィールド: (そのケースの最後のイベントのタイムスタンプ) − (そのケースの最初のイベントのタイムスタンプ)。

10日2時間15分5日0時間0分22日8時間30分
必須 推奨 任意

仕入先請求書処理のアクティビティ

仕入先請求書処理ワークフローを正確に可視化・分析するため、イベントログに記録すべき主要ステップとマイルストーンは次のとおりです。
6 推奨 7 任意
アクティビティ 説明
支払いで請求書を消し込み
請求書が全額支払われ、未決項目が支払伝票で消込済みになった状態です。これにより当該請求書の買掛金プロセスは完了となります。消込伝票の情報で判別します。
その重要性

成功パスの主要な終端イベントです。このアクティビティに到達するまでの時間は、プロセス効率を測る重要指標であり、期限内支払や割引取得の算定にも欠かせません。

取得元

仕入先明細に消込伝票番号(BSEG-AUGBL)と消込日(BSEG-AUGDT)が格納された時点で判定できるイベントです。消込日がイベントのタイムスタンプになります。

取得

Clearing Document(BSEG.AUGBL)が設定されている場合は、Clearing Date(BSEG.AUGDT)を使用します。

イベントタイプ explicit
支払提案作成
請求書が支払実行(T-Code F110)の一環として、支払提案リストに含まれた状態です。最終支払いではないものの、支払意図が示されます。支払期日や支払条件に基づいて選定されます。
その重要性

自動支払プロセスの最初のステップです。提案から最終実行までの遅延は、Payment runの承認やスケジューリングに起因する可能性があります。

取得元

REGUP(支払プログラム処理済アイテム)などの支払提案テーブルに対象の請求書伝票が存在することで特定するイベントです。実行日(REGUP-LAUFD)をイベントの時刻として使用します。

取得

REGUPテーブルから該当請求書を見つけ、支払実行日(LAUFD)を使用します。

イベントタイプ explicit
請求書を反転
転記済みの請求書伝票は、取消伝票(リバース)を作成して取り消されました。この操作により、元の請求書の会計への影響は相殺されます。これは、プロセスの別の(望ましくないことが多い)終了形を意味します。
その重要性

転記取消は、誤入力や重複請求のようなエラーの兆候です。取消の頻度と理由を追跡することで、データ品質や初回正解率を高めるための改善余地を特定できます。

取得元

伝票ヘッダ(BKPF)から特定するイベントです。元伝票には取消伝票番号(BKPF-STBLG)が格納されます。イベントの時刻は取消伝票の転記日です。

取得

BKPF.STBLGで取消伝票を特定し、その転記日に基づくタイムスタンプを取得します。

イベントタイプ explicit
請求書を転記
請求書が総勘定元帳に正式に計上され、負債が認識された状態です。保留伝票を転記済み伝票に変換する場合もあれば、最初から転記済みで作成される場合もあります。これは財務会計の基本ステップです。
その重要性

転記は請求書を正式な負債として確定させる重要なマイルストーンです。これにより、データ入力の段階と、実際の支払管理の段階が切り分けられます。

取得元

伝票ヘッダテーブル BKPF から特定します。転記済み伝票は伝票ステータス(BKPF-BSTAT)が空で、転記日付(BKPF-BUDAT)が設定されています。イベントのタイムスタンプは転記日付です。

取得

BKPF.BSTAT が 'V'(Parked)でない、または 'V' から変更された伝票には BKPF.BUDAT を使用します。

イベントタイプ explicit
請求書伝票を作成
SAPで請求書伝票が初めて作成されたことを示します(転記保留または完全転記)。通常、請求書に対する最初のタイムスタンプ付きイベントで、プロセス分析の起点となります。BKPFテーブルの伝票入力日時から取得します。
その重要性

請求書処理における主要な開始イベントです。ここからの経過時間を分析することで、エンドツーエンドのサイクルタイムや初期入力の遅延を測定できます。

取得元

会計伝票ヘッダレコードの作成タイムスタンプから推定するイベントです。具体的には、起票日(BKPF-CPUDT)と起票時刻(BKPF-CPUTM)の組み合わせがタイムスタンプになります。

取得

伝票ヘッダテーブル BKPF の作成タイムスタンプ(CPUDT, CPUTM)を使用します。

イベントタイプ inferred
請求書承認済み
指定された承認者が請求書の妥当性を確認し、支払い可能と判断した状態。ワークフローシステムの明示的なイベント、または支払ブロック解除から推定される場合があります。支払い前の重要なマイルストーンです。
その重要性

支払ブロックを解除し、支払可能にする重要なマイルストーンです。この前後の遅延は、承認者の不在や支払実行(Payment run)の承認・スケジューリングに関する課題など、異なる性質の問題を示します。

取得元

ワークフローシステムでは明示的なイベントです。そうでない場合は、BSEG-ZLSPR の支払保留が外れた変更履歴(CDHDR/CDPOS)から推定するのが一般的です。

取得

支払ブロック解除イベントは、Workflowシステムや変更ログから取得します。

イベントタイプ explicit
GR照合済み
請求書を入庫(Goods Receipt)伝票に紐づけ、請求対象の品目・サービスを受領済みであることを確認する行為を表します。これは三点照合の3つ目の要素です。請求書明細の参照情報から推定されます。
その重要性

入庫(GR)との照合は、支払対象を確実に受領していることの確認です。これを追跡することで、PO–GR–請求書の照合時間KPIを分析し、検証作業の効率化につながります。

取得元

BSEG テーブルの仕入先明細から推定します。入荷伝票番号(BSEG-LFBNR)の設定有無、または関連する購買発注の履歴(テーブル EKBE)をたどって判定します。

取得

BSEG.LFBNRのGR参照、またはEKBEのPO履歴で確認します。

イベントタイプ inferred
支払ブロック解除
請求書に設定されていた支払ブロックが解除され、支払い可能になった状態。多くの場合、差異解消または承認完了を意味します。本イベントは変更履歴テーブルから取得します。
その重要性

例外対応の解消、または承認完了を示すアクティビティです。ブロックが有効だった時間は手戻りや待ち時間に該当し、改善効果の大きい領域です。

取得元

Payment Block Key(BSEG-ZLSPR)の変更を追跡して判定するイベントです。CDHDR/CDPOSの変更ログに、このフィールドが解除(クリア)された履歴が記録されます。

取得

BSEG-ZLSPRフィールドが空白に変更されたCDHDR/CDPOSの更新エントリを追跡します。

イベントタイプ explicit
支払ブロック設定
請求書が意図的に支払ブロックされた状態です。原因は不一致、承認待ち、その他の問題など。これは請求書明細行に設定される明示的なステータスで、このイベントは変更ドキュメントテーブルから取得できます。
その重要性

例外対応や承認プロセスの開始点を示すアクティビティです。支払いブロックの発生頻度と継続時間を分析することが、ボトルネックやトラブルの特定・解消につながります。

取得元

このイベントは Payment Block Key フィールド(BSEG-ZLSPR)の変更を追跡して取得します。テーブル CDHDR と CDPOS の変更ログに、このフィールドが設定されたタイミングが記録されます。

取得

BSEG-ZLSPRフィールドに関するCDHDR/CDPOSの新規エントリの作成を追跡します。

イベントタイプ explicit
未払いのまま支払期日を超過
現在日付が請求書の正味期日を過ぎているにもかかわらず未消込の場合に発生する計算上のイベントです。延滞リスクがある、または延滞中の請求書を可視化します。システムが直接発生させるイベントではありません。
その重要性

延滞支払い率(Overdue Payment Rate)KPIの監視に不可欠なアクティビティです。延滞手数料やベンダー関係の悪化を避けるため、至急対応が必要な請求書を事前にフラグします。

取得元

これは計算上のイベントです。未消込の請求書明細すべてについて、現在日付とNet Due Date(BSEG-ZFBDT)を比較して導出します。イベントのタイムスタンプは期日そのものです。

取得

未決項目について、現在日付とBSEG.ZFBDTを比較して算出します。

イベントタイプ calculated
発注書と突合済み
請求書の明細が購買発注(PO)に正常に紐づいたことを示します。三点照合における重要な検証ステップです。これは、請求書明細にPO番号が存在することから推定されます。
その重要性

PO照合の遅延は大きなボトルネックになり得ます。このアクティビティを分析することで、照合プロセスの効率を測定し、標準的なPOベースのワークフローから逸脱している請求書を特定できます。

取得元

BSEG テーブルの仕入先明細から推定します。購買発注番号(BSEG-EBELN)が入っている場合、伝票作成時点での照合完了と見なします。

取得

請求書のBSEG.EBELNにnull以外の値があるか確認します。

イベントタイプ inferred
請求書を保留登録
SAP に登録されたものの、まだ総勘定元帳に転記されていない請求書を表します。後で完了や承認ができるようにする明示的な操作です。ヘッダテーブルの伝票ステータス・フィールドで、請求書が保留(Parked)かどうかを判別できます。
その重要性

転記保留は、レビューや情報不足などによる意図的な一時停止を意味します。追跡することで、正式転記前の遅延要因を特定できます。

取得元

伝票ヘッダテーブル BKPF の伝票ステータス(BKPF-BSTAT)が 'V'(保留)のレコードを抽出します。イベント時刻は伝票の作成日/作成時刻(BKPF-CPUDT, BKPF-CPUTM)です。

取得

BKPF.BSTAT = 'V' の伝票で絞り込みます。

イベントタイプ explicit
請求書を承認ルートへ回付
請求書が承認 workflow に正式提出された状態です。外部の workflow システムや、SAP 上の特定のステータス変更に連動することが多く、承認サブプロセスの開始点となります。
その重要性

承認サイクルの開始を示すイベントです。このイベントから 'Invoice Approved' までの時間計測は、Invoice Approval Cycle Time KPIや承認者起因のボトルネック特定に不可欠です。

取得元

SAP Business Workflow を利用している場合、このイベントはワークフローのログ(例:SWWLOG)から取得できます。未使用の場合は概念的なステップとなり、多くは承認理由による支払保留の設定から推定します。

取得

Workflowログから抽出、または特定の支払ブロック設定から推定します。

イベントタイプ explicit
推奨 任意

データ抽出ガイド

SAP ECC からデータを取得する方法